葛西 充(昭和58年法学部政治学科卒)

【略歴】かさい・みつる 株式会社グッド代表取締役。法学部在学中に宅地建物取引主任者(当時)を取得。卒業後、司法書士資格を取得。30代で父親が手がけていた不動産業を手伝い事業化する。NPO都市住宅とまちづくり研究会理事。

寄稿

不動産屋には必要と言われて始める

 「不動産屋にゴルフは必要だからお前も始めろ」懇意にしている先輩の設計士さんからそう言われ、彼は自分の使っていないゴルフクラブ一式を宅急便で送ってくれました。私が54才のときでした。それから1年以上たって千代田区ゴルフ協会が区の体育館で全くの初心者対象に講習会を開くのを知り、地元の友人とそれに参加しました。プロが講師で協会の人がその手伝いをしている全8回のコースでした。その手伝いの人の中に奇遇にも同業者や地元の知り合いが数人いて、目をかけて指導してもらえたのは幸いでした。おかげで、ゴルフってこんなもので、こうやって打つんだなあという事は何となくわかりましたが、たまにパチーンと当たるもののほとんどは空振りかポテッという感じでした。それでもめげずにその後も練習を続け、個人レッスンを1年半位受けたりしながら最近はやっと普通にコースを回れるようになりました。

 ゴルフはスタート地点から旗の立っている穴(ホール)まで何回打って到達するか競うのですが、それを前半後半9か所(9ホール)、計18ホール回ります。そこを合計72回(打)で回れれば満点ですが、プロはそれ以下の60台で回ります。私は昨年61才にしてやっと100を切れました。このように決して上達は早い方ではなく、非常にゆっくりで、私にとってゴルフは本当に難しく奥が深いです。しめた!これだ!と思っても次回同じようにいかないことばかりです。ですがだからほんの少しでも上達すると、とてもうれしくまた続けたくなります。ドライバーという一番長いクラブで芯にあたってボールが遠くまで飛んだ時の爽快感はたまりません。そのために最近はテレビといえばユーチューブでゴルフのレッスン動画ばかり観ています。たまに駅のホームなどで素振りのようなしぐさをしている人を見て昔は半分馬鹿にしていましたが、気が付けば自分が会議の最中でさえ、手や腰を動かしてスイングの確認をしてしまう時があります。このように今はゴルフに、はまってしまいました。ゴルフのために健康で居たくてタバコも止めましたし、食事にも気を遣うようになりました、また、11階のマンションの部屋まで帰りは階段で上がっています。私にゴルフを勧めてくれた先輩のように、こんなことを70代まではやりたいと思っています。じつは彼が私にゴルフを勧めたのは、一緒にコースを回るメンバーが足りない場合の補充要員にしたくてだったのですが、おかげで55才からの私の人生は楽しくなり、これから少なくてもあと15年位この調子で楽しめると良いなと思っています。

 振り返れば皆さんそうだと思いますが、子供の世話や親の介護で自分のために時間を使うなどできない状況のときもありました。しかし今はそれができるので幸せです。

(会報13号掲載「寄稿」より)

会員の記事トップへ